若手弁護士へのインタビュー
企業法務を取り扱う法律事務所の規模は様々です。私は、高度で先進的な企業法務案件を取り扱っている事務所であり、かつ、案件に部分的に関与するのではなく若手のうちから案件全体に主体的に関与できる事務所に勤務したいと考え、U&Iを志望しました。実際に入所して働いてみて良かったと思う点は、比較的大規模な案件にも主体的に関与し案件全体を見ることができること、若手のうちから様々な会議に出席して議論に参加できること、案件によっては自身がプロジェクトリーダーとなってより責任感のある立場で案件に関与することができることです。弁護士として成長でき、仕事のやりがいにつながっています。
60期代・入所2年目
私はもともと会社に勤務しており、在職中に出向でU&Iに勤めていた時期がありました。そのときに経験した業務内容に非常にやりがいを感じたため、その後法律事務所への転職を志した際に、U&Iにもエントリーをいたしました。
最終的にU&Iを選択した理由は、やはり実際の雰囲気を知っていたという点が大きかったですが、それ以外にも、一般的な中規模事務所の中では取扱業務の幅が広く、新しい分野への挑戦を考えていた当時の自分にとって良い環境であったことも挙げられます。
70期代・入所2年目
U&Iは多くの業務分野に興味のある方が合っていると思います。私は就職活動の際、特に訴訟分野に強い興味を抱いていたものの、他の分野に興味がないわけではなく、実際に幅広い分野の業務を体験して自身の専門分野を決めたいと思いました。また、そのような幅広い経験が、後に自分の得意分野を専門化するにあたっても大いに役立つものと考えていました。U&Iはセクション制を採用しておらず、数多くの分野の業務を手掛けているため、自分にとって最適な事務所であると思い入所しましたが、入所から1年が経った今、自分の選択に間違いはなかったと確信しています。
60期代・入所7年目
私がU&Iを志望した理由は大きく以下の3つです。①セクション制を採用しておらず、幅広い案件に従事することができると考えたため。②成果物の品質に対するこだわりを感じ、自らの能力を磨けると考えたため。③いわゆる渉外案件を数多く手掛けることができるとのことだったため。現在、これら入所前に想定した状況は達成できています。
60期代・入所1年目
大手法律事務所では実現しにくい、多くの法分野においてチームの中心メンバーとして案件に関われることが弁護士の成長にとってとても重要だと思います。U&Iは、国際案件(とりわけ中国案件)も国内案件も総合的に扱っており、いかなる案件にも対応できる体制を整えていますので、ここなら自分が理想だと考える弁護士になれると思い、大手法律事務所から思いきって転職しました。
70期代・入所3年目
元々私はベトナム法務に関心がありました。U&Iには現地拠点があり、「現地法は現地語で理解する」とのポリシーを有していることなども含め最適な環境を有しているように思ったこと、さらには、部門制を採用している訳ではないため、多種多様な経験を通じ、法律家としてより成長できるのではないかと思ったこともありU&Iを志望しました。
司法修習中は裁判官になることも考え、散々悩み、事務所の先生方には多大な迷惑を掛けしてしまいましたが、最終的にU&Iへ入所する道を選びました。決断の大きな理由としては、ベトナム法務に関与できる絶好の機会であることを踏まえると、U&Iに入所しない方が後悔として大きいと考えたことと、さらには、やはりU&Iに入所する方がベトナム法務含め多種多様な経験ができ、法律家としてより成長できるのではないかと考えたことにありました。
70期代・入所4年目
採用面接の際に、最もよく私のエントリーシートや成績表を事前に読んで下さっているなと感じたことが、U&Iへの入所を後押ししました(見られたくない部分もありましたが。笑)。志望者一人のために事前にそれだけ準備をするということは、依頼者に対してはさらに丁寧で質の高いサービスを提供しているんだなということを肌で感じ、そのような法律事務所で働くことで弁護士として最大限成長したいと考えました。
事務所全体として、若手のアソシエイトの意見であっても積極的に取り上げる、成果物を尊重するという姿勢があると感じています。私個人としても、まだ2年目の新米弁護士ですが、パートナー弁護士や先輩アソシエイトから1人のプロフェッショナルとして扱って頂けていると感じています。やはり、積極的に意見を聞いてもらえる、成果物を尊重してもらえるという環境は、仕事を行う上でモチベーションに繋がりますし、その分責任感が生まれ、弁護士としての成長にも繋がっていると実感しています。
60期代・入所1年目
いつでも誰にでも訊きに行けるというのは、U&Iの特徴だと思います。専門家は基本的に忙しく仕事されているのですが、話しかけにくいということが全くありません。弁護士としてどれだけ特定分野で専門性を磨いていても、依頼者から必ずしもその分野の相談だけをいただくわけではありませんし、ひとりで解決できることばかりじゃありません。そういうときに、タイムリーにプロとしての答えを提示するためには、周りの他の専門分野に強い仲間たちに気軽に相談できるというのが非常に助かります。
60期代・入所7年目
私が、U&Iの良い所だなと思うのは、①若手のアソシエイトであっても忌憚なくパートナー弁護士に意見を述べることができる、②いい意味でドライな雰囲気であり、内部の飲み会等で時間が圧迫されるようなことは(新型コロナ禍前から)ない、という点です。
U&Iの特徴は、企業法務を取り扱う(いわゆる四大等の大手法律事務所を含めた)一般的な法律事務所が手掛ける分野のほとんどをカバーしており、国内法務だけでなく、国際法務についても幅広く、かつ、高い水準で対応していることです。他方で、事務所の規模がそこまで大きくないため、若手のうちから幅広い案件に主体的にかかわることができ、専門家としてのやりがいを感じながら経験を積めるというのも大きな特徴だと思います。
60期代・入所6年目
U&Iには、幅広い業務分野の専門家がいます。日本人弁護士だけでなく、外国法事務弁護士、公認会計士、税理士、社会保険労務士、パラリーガルなどが、日常的にコミュニケーションを取りながら業務を進めており、また、グループ会社(U&Iアドバイザリーサービス・U&I税理士法人)も擁していることから、依頼者の抱える複合的な問題にも、ワンストップで柔軟に対応できる体制があります。このような体制は事務所創設時からのU&Iの特徴であり、普段の業務を行う上でも、U&Iならではのノウハウの蓄積を感じることが多々あります。その結果、他の一般的な事務所ではちょっと経験できないような興味深い案件を手掛けることも多く、実務家としての幅が広がったと感じています。
入所翌日に丸1日かけて新人研修が行われます。主な内容は、弁護士として執務するにあたっての基本的な心構え、論点等のリサーチや内容証明郵便の作成要領等、基礎的な個々の業務に関するレクチャー等です。また、これらのレクチャーとは別に、別途若手弁護士から自身の1年目の経験等について話を聞ける機会もあります。1年後に新人研修に携わる機会があり、私の1年目を振り返った際、新人研修の内容が日々の執務に役立っている場面が多いと改めて感じました。
70期代・入所2年目
新人研修では、電話の使い方、スケジュールの共有方法や所内サーバーの利用方法などの事務的な事項だけでなく、登記情報提供サービス、内容証明郵便の利用や裁判例の調査にあたっての心構えなど、弁護士が基礎的能力として体得すべきことについても講義を通じて学ぶことができ、新人弁護士が意識すべき点について具体的なイメージを掴むことができました。
また、パートナー弁護士や一定年数の経験を積んだアソシエイトだけでなく、2、3年目の若手のアソシエイトからも、新人時代の失敗談や、業務が行き詰った時の解決法など、ざっくばらんな話を聞く機会があり、業務に対する過度な緊張が和らいだのを覚えています。
入所して数年間はパートナー弁護士と同じ執務室で勤務し、同室のパートナー弁護士を中心に複数の専門家で案件を担当します。弁護士の業務はマニュアル化できないものが多いため、基本的にはOJTという形で業務に慣れていくこととなりますが、弁護士になったばかりの頃は実務について分からないことだらけであり、パートナー弁護士が一緒に案件に入り、熱心かつ丁寧にご指導を頂ける環境は心強かったです。
案件への関わり方としては、基本的に若手がファーストドラフトを行い、それを先輩アソシエイトやパートナー弁護士にレビューして頂くことになります。起案の数をこなせる上、様々な先輩アソシエイトやパートナー弁護士に文章を見て頂けることから、入所当時よりも文章力に自信がつきました。
私の場合、早い段階で専門分野の案件対応が多くなり、3年目あたりから専門分野の案件については一人で対応することが増えました。また、後輩が入所してきたこともあり、最近は後輩アソシエイトと一緒にお仕事することも増えています。
70期代・入所2年目
数日間の新人研修が終わると、早速案件が割り振られ始めますが、新人のうちは必ず他の弁護士と複数名で案件を担当することになり、任せっきりということは全くありません。例えば、簡単なメールを依頼者へ1通送るだけであっても、他の弁護士が案文を確認・修正し、フィードバックを行うくらいであり、新人の成果物が他の弁護士の確認を一切経ずに外部へ提出されることはないため、自分の欠点を知り、成長する機会に恵まれていると思います。
一方で、このような所内でのフィードバックを経て業務の進め方に次第に慣れてくると、案件や業務の難度によっては、1年目の弁護士であっても依頼者と積極的にコミュニケーションを行えるようになります。勿論、分からないことは年次が上の弁護士に相談すれば丁寧に教えてくれますが、前線に立って案件を引っ張っていくことで、後方から見ていた時には気づかなかったことを学ぶことができ、更なる成長に繋がっていると感じています。
若手のうちは、パートナー弁護士と同じ部屋(2~3人部屋ですが、2人部屋であることが多いです。)で執務を行います。必然的に同室のパートナー弁護士と一緒に仕事を行う機会が多くなりますが、その際に物理的に距離が近いので、気軽に意見交換ができるのが一番の利点だと感じています。仕事を行う上で積極的に議論を行ったり、疑問点を解消したりできるという環境は、業務の効率性やクオリティに繋がりますし、自分自身の成長にも繋がっていると実感しています。
60期代・入所6年目
最初の数年間はパートナー弁護士と同室、その後はパーテーションで仕切られた1人用のブース席(半個室)に行くことが多いです。特に入所当初は同室のパートナー弁護士や、席の近いパートナー弁護士との仕事が中心で、その後徐々に様々な専門家とお仕事でご一緒することが増えていきました。
ブース席に移動になったときには、ブース席に行ける年次になったことが純粋にうれしかったです。もっとも、ブース席であってもそうでなくても、同じフロアではあるので、心理的な距離はあまり変わらない印象です。
70期代・入所3年目
若手弁護士はパートナー弁護士と同室で執務することが原則ですが、同室の弁護士としか案件をしないということではなく、所内の幅広い弁護士や他の専門家とも仕事をします。執務室には専門家・パラリーガル・スタッフなど気軽に訪れますし、私もしばしば他の専門家の執務スペースを訪れます。このように、執務スペースは一応の区分けがなされているものの、直接コミュニケーションの取りやすい、風通しの良い職場です。
私は、入所時から週1回、英文契約勉強会に参加しています。これは、様々な種類の英文契約書を参加者で分担して和訳、音読することを通じ、英文契約書で用いられる典型表現を学んだり、正確に翻訳をする意識を養ったりする趣旨の勉強会です。
私が入所後に取り扱った契約書の例として、秘密保持契約書・コンセッション契約書・ライセンス契約書などがあります。
新型コロナ禍においても、Web会議システムも活用しつつ、継続して開催することができており、日々の研鑽に役立っています。
60期代・入所6年目
インドネシア語勉強会に参加しています。現在、専門家と一部スタッフ(中国語・韓国語など、インドネシア語以外の翻訳を担当するパラリーガル)が参加しており、全員、入所前にインドネシア語に触れたことがなかったメンバーなのですが、インドネシアで直近に改正された法令を素材に勉強することで、曲がりなりにもインドネシア語が読める(少なくとも辞書の引き方が分かる)ようになりました。
和気あいあいとしつつも、教材である最近のインドネシアの法律に関連して、日本(や海外)の法令について知見を深めることのできる勉強会です。
70期代・入所4年目
私は倒産法勉強会(現在は休止中)に参加していました。若手が経験したことの少ない民事再生手続きを中心に学ぶというコンセプトで始まりましたが、仮想通貨と倒産手続との関係や、事業承継等の周辺分野についても勉強しています。スピーカーが講義・発表を行い、参加者がそれに基づいて議論を行うという形式で行われていますが、パートナー弁護士であるかアソシエイトであるかに関係なくスピーカーの担当があるため、スピーカーを担当することで担当分野の理解がより深まります。
私は事業承継のスピーカーを担当しましたが、発表のために事業承継の本を読み込み、説明用にまとめのレジュメを作成したため、全く知識のなかった事業承継や租税の分野の知識が増え、業務において役立っています。
新型コロナ禍の影響で直近の2年間は開催されませんでしたが、毎年12月に開催されるオフィスパーティーでは、専門家・スタッフだけでなくそのご家族ともお話しできるため、いつも楽しみにしています。また、大変だった案件が終わったときには打ち上げパーティーを担当弁護士及び秘書で開催したり、(特に案件に関係なく)若手ないしは女性専門家だけで食事に行ったりもしています。
そのほか、特に親しくさせて頂いている専門家やスタッフとは、プライベートで遊びに行ったりもしています。
70期代・入所4年目
弁護士、秘書を問わず定期的に交流の機会を設けるように心がけています。最近は新型コロナ禍の影響でなかなか集まる機会が設けられずにいますが、徐々に平時のような交流の機会を設定していきたいと考えています。
U&Iで扱っていない典型的分野はほとんどないため、希望すればそれがある程度叶うのではないかと思います。私は入所直後には訴訟案件を一定程度経験したいと考え希望していたのですが、依頼者から新件を頂いた際などに、パートナー弁護士等から「やりたいと言っていたので誘ってやろう」という感じで声をかけてもらえたようです。
専門性については、最初から希望分野・得意分野がはっきりしている方や、語学に長けている方はそれを希望として打ち出していくこともあるとは思いますが、私については、様々な業務分野を経験する中で、たまたま多く経験した分野、あるいは相対的に適性があると自他ともに評価した分野が徐々に多く集まってきたという印象です。1件特徴的な案件を経験すると、その際の経験を生かして類似の次の案件を任されることもあります。特定の分野についてはその分野を専門とする所内の弁護士の知見等を聞きながら案件を進めていますが、逆に私もいくつかの業務分野については、知見を提供する側に回ることもあり、また、そのような機会が多くなるように精進していきたいと考えています。
70期代・入所4年目
ある程度、自分で色を付けるように心がけた部分と、周りから案件を振ってもらう中で色が付いた部分と両面があります。①前者は、ファンド組成やそれに伴う金商法対応、証券化等であり、②後者は、個人情報関連で、③両者混合が英語案件です。
①について、1年目の頃から、ストラクチャリングや、PEファンド・ベンチャーファンドの組成、組合契約書の作成に携わっており、当局対応も種々行っていたため肌感が付きました。3年目にクロスボーダーの不動産証券化も参加して契約書のドキュメンテーションを学び、今は第二種金融商品取引業者で証券化事業に携わっています。
②について、GDPRやCCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)を所内で扱っていましたが、4年目からプライバシー業務で出向にいくことになり、海外・国内の法令はもちろん個人情報の利用法といったビジネス観点での理解も深まりました。
③について、入所した当初は英語が得意という認識もなかったのですが、英語を書く機会が段々増えて、海外とコミュニケ―ションをする中で英語の感覚が身についていきました。スピーキングも会議で使ったり、自分で投資をして学んだりすることで非常に伸びました。依頼者からも英語での説明を頼まれるようになり、ありがたいです。
70期代・入所3年目
業務分野、専門性の決まり方については、大きく分けて、入所前である程度決まっている場合と、入所後に色々な経験を経た上で決まる場合があると思います。私の場合、入所時点からベトナム法務を希望していたこともあり、ベトナム法務に携わることについては入所前からある程度決まっていました。実際に汲んでもらえるかはそのときの状況にもよりますが、入所後に関与していきたい業務分野があるのでしたら、入所前の時点から積極的に発信すればしていくのが良いかと思います。また、U&Iは、一部の渉外法務を除いては、厳密な部門制を採用しておらず、入所後にも色々な案件に触れる機会があります。そのため、多くの場合には、入所後の業務経験を通じて、自分の主となる業務分野、専門性を決めていくことになるかと思います。
複数社に出向しており、国内上場企業の案件をリモートで対応させて頂いています。決まった出勤日がある訳ではなく、案件に応じて対応しており、日本法に限らずEUやアメリカ等の海外法令も扱っています。他にも、非上場会社でファンド組成などに携わっています。案件の全体像を意識しながら関われるのでやりがいがありますし、社内の方と率直にコミュニケーションする機会が多くリーガル以外の知識を学べるので大変勉強になります。
60期代・入所4年目
新型コロナ禍の前までは、週1回、日帰りで某都市部の依頼者企業まで出張し、法務部員の方と一緒に出向業務を行っていました。私は人事労務に強みを持っていますが、必ずしもそれに限らず、そのとき発生している法律問題全般について都度相談を受けるなどの業務を行っていました。毎週の日帰り出張は、慣れるまでは体力的にはハードでしたが、法務部を含む会社員の方々の働き方をじかに拝見することができたことはよい刺激になりました。
所内の公認会計士の先生とはDD(デュー・デリジェンス)等でご一緒になることが多いです。また、仕事をしている中で税金に関する論点・疑問が発生することも多く、税理士の先生にはよくご相談に乗っていただいています。個人的には、税務や会計に関する相談をすることができる人が近くにいるというのは、大変有難く感じています。
70期代・入所2年目
私は主に国内案件に携わっていますが、例えば、依頼者からの相談に対して複数の手段を提案する際は、法律上の観点のみならず税務上・会計上の観点からもメリット・デメリットを提示する必要があるため、同じ専門家として会計士・税理士と連携を密にして検討を行っています。
60期代・入所6年目
私は訴訟案件に関わることが比較的多いのですが、従前の事実関係を理解するに際して、税務・会計の知識が必要になることは多々あり、(自分でも勉強はしますが)公認会計士や税理士の先生とすぐお話しできる環境にあることは大変ありがたいと思っています。
同じオフィスで仕事をしており、先輩弁護士に相談するような感覚で相談させて頂いています。
70期代・入所4年目
私はベンチャー企業の資金調達やストックオプションの発行の案件を取り扱うことが多いため、所内の公認会計士の先生に企業価値の算定をお願いしたり、予期せぬ課税リスクが生じないかをご確認頂いたりすることが多いです。また、定時株主総会対応においては、決算書類の作成に関わった公認会計士の先生から決算書類に関する説明をして頂くことがあります。所内に様々な専門家がおり、法的観点のみならず租税や会計の観点を身近に確認することができることが非常に心強いです。
60期代・入所8年目
弁護士として依頼者からご相談を受けていると、例えば、売買契約や和解条項一つとってみても、会計処理をどうすれば良いか、また、税務上有利にするにはどうすれば良いか(それらの点との関係で、適法な範囲内でいかなる選択をすべきか)という点の検討は避けて通れません。
弁護士と公認会計士・税理士が協働するメリットとして挙げられる典型例としては、M&Aにおける法務デューデリジェンスと財務デューデリジェンスの緊密な連携や、事業承継・相続等における税務上のメリットを考慮した法的スキームの構築といったものがあり、それらの点はもちろんメリットとして実感しています。しかし、そのように類型化できるものよりも、日常的に何でも気軽に公認会計士・税理士に質問してコメントをもらえるということこそが有益であると感じています。
60期代・入所7年目
私は公認会計士の資格も持っているので、所内の公認会計士・税理士と多くの場面で協働して、弁護士との橋渡しの役割を担うことが多いです。例えば、事務所として法務DDと会計・税務DDの両方に関与するような場合に、会計・税務DDで発見された論点を法律的な論点に再構成して法務DDチームにフィードバックしたり、依頼者から法律問題に関連した税務のご相談を受けた際に、所内の税理士と案件担当の弁護士を交えて協議の上で回答する、などといった連携をしています。
法律と会計・税務は考え方や概念、用語などの「言葉」が少しずつ違うのですが、両方の資格を持っている立場として、所内の専門家の間で一種の「通訳」のような形で円滑な意思疎通を図り、事務所全体として最適な解決策を依頼者にご提案することができるように努めています。
70期代・入所4年目
所内の公認会計士の先生とは、不正調査やDD等で共働しています。特に会計不正での財務的なインパクトは弁護士には評価しづらいところもありますが、公認会計士の先生方の作業を横からみていると、とても勉強になります。
70期代・入所2年目
所内の公認会計士・税理士の先生方と一緒に仕事ができる機会は、1年目から多く頂いたと感じています。公認会計士・税理士の先生方とチームを組んでDDや不正調査を行う機会にも恵まれ、普段から一緒に仕事をしていることで、別の案件で会計上・税務上の疑問点が生じた際にも気軽に質問できるというのは、U&Iの大きな利点だと思います。
所内の外国人弁護士とは、一緒にチームを組んで外国法の意見書を作成したり、海外案件に取り組むなどの機会に恵まれました。基本的には英語でのコミュニケーションになるので大変ではありますが、自身の英語力を鍛えるという意味でも貴重な経験になったと感じています。
60期代・入所8年目
所内の外国人弁護士とは、関連する国・言語の案件において一緒に業務を行っています。所内で直接に知見が得られることはもちろんですが、外国の法律事務所に意見を求める場合であっても、当該国の法律や文化を熟知し、母語でやり取りできる方がいることによって、非常にスムーズに回答が得られると実感しています。
60期代・入所1年目
私は日本法弁護士でありながらも中国語を母国語としていますので、所内の中国人弁護士と毎日のようにコミュニケーションをとっています。また、英語を話す外国人弁護士とも一緒に食事に行ったりし、とても仲よくやっています。
70期代・入所3年目
ベトナム法務はU&Iのベトナム拠点で勤務しているベトナム弁護士の協力が必要不可欠で、必然的にやり取りも生じます。そして、ベトナム弁護士とのやり取りにおいては、特にお互いの認識に齟齬が生じないよう気を付けており、場合によってはメールのみならず電話で補足などをすることも多々あります。また、ベトナム法務に関与した当初は、ベトナム弁護士がベトナム法の専門家である以上、その判断を尊重するのが良いかと考え、ベトナム弁護士との議論において一定の段階になったら私の方から退いてしまっていたりしたのですが、それでは日本の弁護士として関与している意味がなく、依頼者の利益にもならないため、今では自分が納得いくまで議論するようにしています。そのほか、東京事務所で勤務している外国人弁護士と関わる機会もあり、一緒にランチに行くこともあります。
70期代・入所3年目
海外案件に携わる機会が増えたこともあり、所内の外国人弁護士と一緒に案件に取り組むこともあります。また、U&Iでは法律雑誌に寄稿することもありますが、その際に外国人弁護士と協働して外国法についての記事を執筆することもあります。
最も大変だったのは、それまでは深く触れてこなかった分野の案件を対応することとなったときでした。入所してから1年の間、このようなことを何度か体験していますが、新人弁護士には避けて通れないことだと思います。案件においてある論点が問題となり、リサーチが必要となった際にも、まずその根底にある基礎的な理論から理解しなければならないため骨が折れますが、その分野を専門としている弁護士に臆することなく質問していくことで、1つ1つ丁寧に疑問点を解決していくことができました。また、このような成功体験が少しずつ自分の自信に繋がっていきました。
やりがいを感じたのは、例えば、ある訴訟案件で文献を片っ端からリサーチし、時間をかけて複雑な法令の解釈を丁寧に紐解いて主張を行ったところ、最終的にこちらの主張が判決文において認められた時はこれ以上ないほどのやりがいを感じました。また、依頼者から面と向かって御礼を言われた時は、改めて責任感を覚え、身の引き締まる思いがすると共に、法律の専門家として冥利に尽きます。
70期代・入所2年目
大型の紛争案件の書面を、一からドラフトした時が最も大変でした。訴状等の起案の際には、証拠を精査し、事実関係を整理した上で主張を組み立てるという作業が必要となり、相当な負担が生じることは否定できませんが、同時に弁護士としての技術を磨く最良の実践的機会だと考えています。私自身も、大変ではありましたが、入所後1年目からこのような機会を得られたというのは大きな財産になると自負しています。
また、私が仕事のやりがいを感じるときは、自分が主体的に関与した案件が無事クローズできた時です。微力ながらも結果に貢献できたという達成感は、何物にも代えがたいものであると思います。
70期代・入所3年目
2年目から英語案件が増加しています。英語案件で苦労するのは、①海外の弁護士事務所や、それを介した海外の当局・裁判所・仲裁廷とのコミュニケーションが生じるため、時間軸がタイトになりやすいこと、②現地の法制等については海外の弁護士事務所に照会することが多いとはいえ、検証のためにU&Iでも把握をしておく必要があること、③資料が膨大になることが多く、勘所を押さえた読解が必要になること、といった点です。先日、納期がとりわけタイトで、資料も膨大な案件があり、臨時で他の弁護士・パラリーガルの方にもチームに入ってもらい対応しましたが、至らないなりに膨大な資料を処理し、チームに勘所を共有し、納期に間に合わせることができ、その際はやりがいを感じました。
70期代・入所4年目
不正調査案件とTOB対応が重なったことです。いずれも期限がタイトで対応すべき量も多く、非常に厳しい状況でした。他の弁護士とも協力し、分担して難局を乗り越えた時は達成感がありました。依頼者の意向をくみつつ法的に難易度の高い成果物を仕上げることができたときにやりがいを感じます。
60期代・入所7年目
主に関与している上場企業のM&A・TOBや証券化案件などではプレイヤーが特に多くなるため、利害調整に苦労することが多かったです。また、特に金融庁や公正取引委員会などの規制当局は民間企業とは異なる原則やロジックで動いているところがありますので、通常のビジネスシーン以上にコミュニケーションの工夫が必要と感じることが多いです。
ぎりぎりのタイミングでの決着になることもありますが、専門家としての知見に基づき適切な着地点での合意や公表を実現できた際には、この仕事をしていて依頼者の役に立つことができたのではないか、という充実感があります。
従前は9時~10時頃に出勤していましたが、ここ数年は新型コロナウィルス感染症の感染拡大予防の観点から、朝のラッシュ時を避けて午前の遅めの時間に出勤して、勤務時間を全体的に後ろにずらしています。このように出勤時間について一定の裁量が与えられていますが、もちろん、特に大型案件を取り扱う際など、案件の緊急性や時限性に応じて早朝から出勤して執務を行うこともしばしばありますし、私の場合、起案が比較的速く、またこれまでパートナー弁護士から成果物を一定程度評価して頂いているという前提があると理解しています。
個人的な1週間のリズムとしては、できる限り仕事を土日に回さずに平日に処理するようにしていて、土日は趣味と実益を兼ねて目の前の業務とは違う領域の学習をしていることが多いです。U&Iに入ってからも一般社団法人不動産証券化協会認定マスター、宅地建物取引士、消費生活アドバイザーといった他の資格を取っていて、そこから依頼者との会話のきっかけになり、新しい仕事につながっていくこともあります。
60期代・入所4年目
弁護士という職業の特性上、業務量は必ずしも一定ではなく、繁忙状況により波があることは否めません。他方で、限られた時間をどのように使って業務を処理するかは、各弁護士の裁量に委ねられていますので、ワークライフバランスを主体的にコントロールしやすい状況にあると思っています。私の場合は、繁忙期でなければ、大体午前10時半~11時頃に出勤し、午後11時~終電で帰った後、残った仕事を少しやって就寝、というのが主なパターンであり、土日祝日も家族や友人との時間を取ることができていると思います。
70期代・入所3年目
案件の状況次第では、夜遅くや休日の対応が必要になることもありますが、パートナー弁護士が各アソシエイトの稼働状況を把握することができるようになっており、各アソシエイトへのアサインはその結果を踏まえてなされることも多いため、長期に亘ってそのような状況が続かないよう配慮がなされていると思います。私自身は週末に妻と出かけたり、趣味に興じたりしてリフレッシュするようにしています。
特に女性だからということで私自身が何かを感じたことはありませんが、新型コロナ禍以前にも、数年事務所で稼働されご活躍された後、ご家族の転勤と出産とが重なったため、遠方の地でフルリモートで勤務された女性弁護士の例がある(現在は復帰)など、状況次第で、ライフステージの変化にも柔軟に対応してもらえる環境にあると思います。
60期代・入所10年目
性別にかかわりなく、個人の特性に応じ、様々な業務に携わるチャンスがあると感じています。また、出産・育児等の両立との関係では、もちろん産休・育休も取得可能であり、私は第一子出産の際に約1年間の休業を経て職務復帰しました。状況に応じ業務量を調整いただくことなどもあり、女性も継続して働きやすい環境であると思います。秘書などスタッフの方についても、育児休業を取得して復帰することが一般的になってきています。
60期代・入所5年目
東京事務所から適切なサポートを受けられることは、安心して海外に赴任して執務をする上ではとても重要だと思います。この点は男女問いませんが、女性弁護士の方が治安面及び体調面等においては、より細やかなサポートを必要とすることも多いように思われます。上海において2020年1月に新型コロナウィルス感染症の症例がはじめて報道されマスクの入手が突如困難になった際、日本においても徐々にマスクの入手が困難になりつつあったようですが、東京事務所のスタッフの方々にマスク確保に奔走頂き、上海事務所に郵送頂く等、東京事務所から適宜サポートをして頂きました。
また、海外赴任者の個別の状況にあわせた執務環境を提供頂けることも安心につながっています。上海において新型コロナウィルス感染症の症例が急増したため日本に一時帰国した後、中国政府により海外からの入国制限が厳格化された結果、長期にわたり日本にて自宅勤務をせざるを得なくなりました。この間、特別にプリンター及びモニター等を貸与頂き、自宅においても上海事務所に劣らないような環境で執務することができ、上海事務所への復帰も円滑に行うことができました。
子育てと仕事を両立させることは大変ですが、夫婦で協力し合って、両立させています。私はできるだけ子ども(7歳の長男と2歳の次男がいます)と多くコミュニケーションを取りたいと思っているので、毎朝自分で保育園に送りに行って、仕事から早く帰った日や土日は、できるだけ子どもと遊んだりお話をしたりしています。U&Iでは、自宅でも、事務所とほぼ同じような環境で執務できるため、忙しい時期は子どもが寝た後に書面を書いたり、メールチェックするなどして、子育てと仕事の時間をやりくりしながら仕事をしています。
60期代・入所2年目
休日の過ごし方は人それぞれである印象です。働き方についてはある程度の裁量が認められているので、平日しっかり働いて土日を完全にオフにする人もいれば、土日にもある程度働くことで平日の業務量を調節している人もいます。
私は後者のスタイルですが、それでも休日が業務だけで終わることは少なく、基本的にはプライベートの時間は確保できていると思います。
現在、U&Iでは、新型コロナウィルス感染症の状況を勘案し、アソシエイト弁護士については週1~2回程度を目安とした在宅勤務が推奨されており、私もリモートワークを実施しています。その場合でも、法律雑誌などはオンラインで確認できますし、当局のガイドライン等もオンラインで公開されているため、大きな不便は感じません。出向もしており、出向先はリモートワークとオフィスへの出勤が半々であるものの、会議や電話で密にコミュニケーションを採れていると感じています。むしろ、リモートワークにより時間の使い方をより意識するようになりました。
70期代・入所2年目
私は新型コロナ禍の中入所しましたが、なるべくリモートワークは実施しないようにしていました。その理由としては、家族と同居していたため自宅のリモート環境が整っていなかったことが大きいです。結果的には、パートナー弁護士や先輩アソシエイトから直接指導して頂ける機会や直接意見交換ができる機会が増え、弁護士としての成長につながったと考えています。もっとも、U&Iとしてリモートワークに否定的な意見はなく、上手にリモートワークを取り入れて実践している専門家はたくさんおられます。
専門家としての責任感のある方と一緒に切磋琢磨できるのを楽しみにしております。
U&Iは法解釈から結論を導くだけでなく、より良いビジネスを行うためのアイデアを(公認会計士・税理士やデジタルフォレンジックの専門家とも連携しながら)依頼者とともに考えていくことを重視しているため、司法試験の勉強の成果はもちろんですが、その他のあらゆる人生経験を生かし、想像力を発揮することが求められていると感じますし、そのような姿勢を諸先輩から学んできました。これから入所される方に依頼者のためより良い仕事をしようという信念があれば、失敗を悔しいと感じられると思いますし、謙虚に急成長できるのではないかと思います。一年目から依頼者のことを考えて働ける方に入所して頂きたいと考えており、対外的なコミュニケーションや書面作成にあたっては、細やかな心配りができる方が合っていると思いますが、他方で、所内ではあまり気を遣うことなく、縦横無尽にご活躍頂きたいと思っています。
60期代・入所4年目
コミュニケーション能力に優れている方で、真面目に働いてくれる方に入所して頂けたら嬉しいです。
70期代・入所4年目
期の近いアソシエイトという目線からは、苦しいことも楽しみながら一緒に乗り越えられる仲間になれる方に入所して頂きたいです。
弁護士の仕事は楽しい事ばかりではありません。案件の進捗によっては夜中や土日に対応しなければならないこともあり、精神的にも肉体的にも苦しいと感じる時もあります。しかし、そのような時に一緒に「キツイね」と言いながらそれを乗り越えられる人がいれば心強いなと思います(部活の時に部員みんなで筋トレをしているときのイメージです。笑)。
70期代・入所2年目
月並みな回答にはなりますが、小まめに報告・連絡・相談をされる方と一緒に働きたいと思っています。私はまだ若手のアソシエイトですが、業務を円滑に進めるためにはパートナー弁護士とアソシエイト間のコミュニケーションだけでなく、各アソシエイト間での緊密な連携が重要であると感じています。質の高い成果物を効率よく仕上げるため(また、各々がワークライフバランスを確保しながら計画的に業務の進行を管理するため)にも、業務の具体的方針や、各々が無理なく対応できるスケジュールをこまめに共有することが不可欠だと考えています。
次に、U&Iは多くの業務分野に興味のある方が合っていると思います。私は就職活動の際、特に訴訟分野に強い興味を抱いていたものの、他の分野に興味がないわけではなく、実際に幅広い分野の業務を体験して自身の専門分野を決めたいと思いました。また、そのような幅広い経験が、後に自分の得意分野を専門化するにあたっても大いに役立つものと考えていました。U&Iはセクション制を採用しておらず、数多くの分野の業務を手掛けているため、自分にとって最適な事務所であると思い入所しましたが、入所から1年が経った今、自分の選択に間違いはなかったと確信しています。
依頼者の最大の利益を実現できる弁護士になりたいと思っています。例えば、私が関与しているベトナム法務においては、当然日本と法令が異なることは認識してはいるのですが、法令調査や法令解釈において、自分の先入観にヒヤリとすることも多々あります。日本のようなコンメンタールもなく、判例制度も未整備で、さらには、当局の担当者が不合理な法令解釈を適用するベトナム法務において、依頼者の最大の利益を実現するにあたっては、徹底した法令調査、現地語での法令に即した解釈の検討及び当局からの反論を想定した所内での議論がより肝要となります。今後も精緻な法令検討、先入観に囚われない条文に即した解釈を着実に積み重ね、依頼者の最大の利益を実現できる弁護士になれるよう理想の弁護士になれるよう研鑽を積んでいきたいと考えています。
70期代・入所2年目
個別訪問の面談の時から希望し、入所当時から主に取り組んできた訴訟分野の業務に引き続き注力し、専門性を高めていきたいと考えています。また、1年目の後半からは一般企業法務(ジェネラル・コーポレート)にも積極的に取り組んでおり、企業法務に携わる弁護士としての土台を築いていきたいです。
※本稿でいう外国人弁護士には、外国法事務弁護士を含みます。
※※2022年5月時点でのインタビュー結果を記載しています。