中国中外合作映画撮影・製作管理規定(改正)(アジア経済法令ニュース増刊No.16-105)
2016.06.13
中外合作映画撮影・製作管理規定
2004 年7 月6 日国家ラジオ・映画・テレビ総局令第31 号により発布
2016 年5 月4 日国家報道・出版・ラジオ・映画・テレビ総局令第8 号により改正・
発布 同日施行
- 第1条
- 映画の創作・生産を繁栄させ、中外合作による映画の撮影・製作の製作者及び関連人員の適法な権益を維持保護し、かつ、中外映画交流を促進するため、「映画管理条例」に基づき、この規定を制定する。
- 第2条
- この規定において「中外合作映画撮影・製作」とは、法により「映画撮影・製作許可証」又は「映画撮影・製作許可証(単品)」を取得した国内の映画製作者(以下「中国側当事者」という。)と国外の映画製作者(以下「外国側当事者」という。)とが中国国内外において映画を連合して撮影・製作し、協力して撮影・製作し、又はその撮影・製作を委託することをいう。
- 第3条
- この規定は、中外映画製作者が中国国内外において合作して撮影・製作する劇映画、アニメーション映画、科学教育映画、記録映画及び専門テーマ映画等の映画(フィルム映画、デジタル映画及びテレビ映画等を含む。)に適用する。
- 第4条
- 国務院のラジオ・映画・テレビ行政部門は、中外合作映画撮影・製作の管理業務に責任を負う。
- 第5条
- 中外合作映画撮影・製作には、次の各号に掲げる形式が含まれる。
(1) 連合撮影・製作。即ち、中国側当事者及び外国側当事者双方が共同で投資(資金、労務又は現物を含む。)し、共同で撮影・製作し、共同で利益を享受し、及び共同でリスクを負担する撮影・製作形式である。
(2) 協力撮影・製作。即ち、外国側当事者が出資し、中国国内において撮影し、中国側当事者が有償で設備、器材、場所及び労務等を提供して協力をする撮影・製作形式である。
(3) 委託撮影・製作。即ち、外国側当事者が中国側当事者に委託し中国国内において撮影・製作を代行させる撮影・製作形式である。。 - 第6条
- 外国企業は、登記登録を申請する際に、次の各号に掲げる文書又は証書を提出しなければならない。
(1) 中国の憲法、法律、法規及び関係規定に適合する。
(2) 中国の各民族の風俗、宗教、信仰及び生活習慣を尊重する。
(3) 中華民族の優秀な文化的伝統の高揚に有利である。
(4) 中国の経済建設、文化建設、思想・道徳建設及び社会的安定に有利である。
(5) 中外映画交流に有利である。
(6) 第三国の利益を損なってはならない。 - 第7条
- 国は、中外合作映画撮影・製作について許可制度を実行する。
- 2
- 国内のいかなる単位又は個人も、「中外合作映画撮影・製作許可証」又は認可文書を取得しないで、国外の単位又は個人と合作して映画を撮影・製作してはならない。認可を経ないで、国外の単位又は個人は、中国国内において独立して映画を撮影・製作してはならない。
- 第8条
- 中外合作映画撮影・製作を申請する場合には、次の各号に掲げる条件を具備しなければならない
(1) 「映画撮影・製作許可証」又は「映画撮影・製作許可証(単品)」を保有する中国側製作単位(国内において認可・登録された中外合資映画制作会社を含む。以下同じ。)
(2) 中外合作当事者双方がいずれも「映画管理条例」に違反したことにより映画撮影・製作を停止する処罰の期間内にない。 - 第9条
- 中外合作映画撮影・製作を申請する場合には、国務院のラジオ・映画・テレビ行政部門に対し次の各号に掲げる資料を提供しなければならない。
(1) 中国側製作単位の撮影・製作のプロジェクト立件申請
(2) 中国側製作単位の「映画撮影・製作許可証」(「映画撮影・製作許可証(単品)」)及び営業許可証の写し
(3) 映画のシナリオ(規範的漢字)1 式3 部
(4) 外国側当事者の資金信用証明及び合作映画撮影の状況
(5) 中国側当事者及び外国側当事者双方の合作意向書又は合意書。主たる内容は、合作各当事者の投資比率、中外主要創作人員の比率及び国内外の映画祭(展)に参加するか否か等を明確にしなければならない。
(6) 主要創作人員の簡単な紹介 - 第10条
- 中外合作映画撮影・製作のプロジェクト立件の申告及び審査・認可の手続は、次の各号の規定による。
(1) 中国側製作単位は、国務院のラジオ・映画・テレビ行政部門に対し申請を提出する。
(2) 国務院のラジオ・映画・テレビ行政部門は、「行政許可法」所定の期間に従い申請単位が提出する書面による申請を受理する。
(3) 受理を決定した場合には、国務院のラジオ・映画・テレビ行政部門は、20 業務日内にプロジェクト立件を認可し、又は認可しない旨の決定をしなければならない。映画のシナリオにつき専門家による評議・審査を経るべき場合には、書面により申請単位に告知しなければならず、その評議・審査の期間については、20業務日内に完了しなければならない。
(4) 連合撮影・製作の条件に適合する場合には、1 回性の「中外合作撮影・製作許可証」を発給する。協力撮影・製作又は委託撮影・製作の条件に適合する場合には、認可文書を発給する。認可しない場合には、書面により理由を説明しなければならない。 - 第11条
- 「中外合作映画撮影・製作許可証」又は認可文書を取得した後に、中国側当事者及び外国側当事者双方は、プロジェクト立件が認可された内容に基づき契約を締結しなければならない。
- 第12条
- 「中外合作映画撮影・製作許可証」の有効期間は、2 年とする。
- 第13条
- 連合撮影・製作において国外の主要創作人員を招聘・採用する必要のある場合には、国務院のラジオ・映画・テレビ行政部門に報告し認可を受けなければならず、かつ、外国側当事者の主要俳優の比率は、主要俳優の総数の3 分の2 を超えてはならない。
- 第14条
- 連合撮影・製作の映画については、普通語による版本を作成しなければならず、その字幕については、必ず規範的漢字を使用しなければならない。映画発行の必要に基づき、普通語版本を標準とし、相応する国、地区又は少数民族の言語・文字版本の制作を許可する。
- 第15条
- 中外合作撮影・製作により完成した映画については、当該地区の省級のラジオ・映画・テレビ行政部門による初歩的審査意見の提出を経た後に、国務院のラジオ・映画・テレビ行政部門の映画審査委員会に報告し審査を受ける。中央及び国の機関所属の映画制作単位及び「映画撮影・製作許可証(単品)」を保有する単位がプロジェクト立件を申請し、かつ、撮影・製作が完成した映画については、直接に国務院のラジオ・映画・テレビ行政部門の映画審査委員会に報告し審査を受ける。
- 第16条
- 連合撮影・製作の映画については、審査を経て合格し、国務院のラジオ・映画・テレビ行政部門の発行に係る「映画公開上映許可証」を取得した後に限り、中国国内外において発行・公開上映することができる。
- 2
- 協力撮影・製作及び委託撮影・製作の映画については、審査を経て合格した場合には、国務院のラジオ・映画・テレビ行政部門の認可文書を持参し出国手続をすることができる。
- 第17条
- 中国側当事者及び外国側当事者双方は、既に「映画公開上映許可証」を取得している映画を変更する必要のある場合には、国務院のラジオ・映画・テレビ行政部門に報告し審査・認可を受けなければならない。
- 第18条
- 連合撮影・製作の映画については、中外の映画祭(展)に参加する必要のある場合には、中外映画祭(展)の開催及びこれへの参加に関係する規定に従い国務院のラジオ・映画・テレビ行政部門に報告し記録にとどめなければならない。
- 第19条
- 外国側当事者は、中国側当事者を通じて中国内地において映画の創作及び労務に係る人員を招聘・採用し、かつ、中国の法律及び法規により招聘に応ずる者と契約を締結しなければならない。
- 第20条
- この規定に違反する行為については、「映画管理条例」の関係規定により処罰する。
- 第21条
- この規定は、香港特別行政区、マカオ特別行政区及び台湾地区の映画制作者が国内において合作して映画を撮影・製作するのに適用する。
- 第22条
- この規定は、2004 年8 月10 日から施行する。ラジオ・映画総局の「中外合作映画撮影・製作管理規定」(ラジオ・映画総局令第19 号)は、同時にこれを廃止する。
(中文法令研究会翻訳。会長:萩野敦司 副会長:広瀬元康 事務局長:森啓太)