「最新!中国ビジネス法の実務動向」(No.31 新エネルギー自動車の関連政策について(9))が掲載されました。
No.31 新エネルギー自動車の関連政策について(9)
1. 最初に
前回に続き「純電動乗用車企業新規建設の管理規定」(以下「本規定」といいます。)第2章が規定する、新規投資プロジェクトに対する投資管理関連事項について触れます。なお、前回と同様、本文における新規投資プロジェクトとは、本規定に基づき中国国内で投資して独立法人たる純電動乗用車生産企業を新たに設立するプロジェクトを指すものとします。
2. 生産企業の投資主体が具備すべき基本的条件
本規定第8条は、当該規定に基づき新規建設される純電動乗用車生産企業の投資主体が具備すべき基本的条件を列挙します。当該条件の内容は、概ね、以下のようなものです(※1)。
① 自己保有資金規模・資金調達能力等に対する要求(第8条第1号)
中国国内で登録されており、プロジェクトの投資に相応しい自己保有資金規模及び資金調達能力を具備していること。
② 研究開発の経験・体制・能力、各種技術等に対する要求(第8条第2号)
当該条項所定の内容に従い、純電動乗用車製品につき各方面における完全な研究開発の経験を有すること。同様に当該条項所定の内容に従い、専門的な研究開発チームと完成車の研究開発能力を有すること、各方面における核心的技術と相応の試験検証能力を有すること、純電動乗用車の自主的知的財産権と授権を経た関連する発明特許を有すること等。
③ 完成車の試作能力等に対する要求(第8条第3号)
完成車試作能力を有し、完全な純電動乗用車のサンプル車両の試作条件(これには当該条項が列挙する、主要な試作プロセス及び装備が含まれます。)を具備していること。
④ サンプル車両の数量及び技術等に対する要求(第8条第4号)
自ら試作した同一モデルの純電動乗用車サンプル車両の数量が15台を下回らないこと。その提供するサンプル車両が、国家の認定する検査測定機関による検査を経ていること、関連する各種標準に適合していること、所定の技術要求(※2)に到達していること。
上記の通り、本規定に基づき新規建設される純電動乗用車生産企業の投資主体が具備すべき基本的条件の内容は多岐に渡り、また、そのレベルも高いものです。
3. その他の事項
以上のほか、新規投資プロジェクトに対する投資管理関連事項として、本規定は新規投資プロジェクトの申請報告(※3)に含むべき内容、申請に対する当局審査手続等の内容についても規定しています(第9条乃至第11条)。
次回も本規定の概要を紹介します。