暗号資産管理(発行・流通・償還)システムの特許を取得しました
2020.03.04
暗号資産管理(発行・流通・償還)システムと方法の発明・特許取得について
この度、弊所と株式会社chaintope様(ブロックチェーンシステム開発)が、共同出願しておりました「暗号資産管理システム及び暗号資産管理方法」について、以下のとおり発明・特許を取得いたしましたので、お知らせいたします。【概要図参照】
- 特許番号 第6651108号
- 特許出願日 令和元年6月6日
- 特許登録日 令和2年1月24日
- 発明の名称 暗号資産管理システム及び暗号資産管理方法
- 特許権者 弁護士法人瓜生・糸賀法律事務所、株式会社chaintope様
– 発明の背景と概要 –
1. | 当事務所は、日本のみならず、アジア、欧州からさらにグローバルに日本企業や現地企業、さらには個人様に対してリーガルサービスを提供しています。 昨今、世界経済がグローバル化すると同時にITの技術進歩は目覚ましいものがありますが、グローバル化によるヒトとモノ、サービスの動きの国境を越えた活発化は必然的にカネの安全かつ低コストの移転の需要を増大させております。 中でも、預金口座やクレジットカードを持たない人々の少額送金決済ニーズは大きく、それに応えるのに、従来のセンター集中型の銀行システム(手数料課金が日本でも広く行われる可能性がでてきております)やGAFAのような巨大グローバル企業と併存して、多様な(草の根的)企業や集団も、ITの技術進歩の恩恵を受けられる仕組みが待たれております。 |
2. | この点、当事務所は、ブロックチェーン技術とリーガルサービスでこうした仕組みをサポートできないかと考えておりましたところ、機会があって株式会社chaintope様とご縁を頂き、ビットコインなど見合資産のない暗号資産は一般に流通するには価格の振幅が大きすぎるという課題の解決に取組みました。その結果、今般、暗号資産(コイン、通貨に限らず、債券なども含む)を発行・流通・償還させる場合に、円、ドル資産など見合資産を持ちつつ、その資産運用を扱え、かつ円、ドルなど対価との決済とも連動できるシステムを発明させていただきました。 |
3. | ①通貨の発行・償還を、発行体および帳簿システム運営者と資産管理者(円預金を扱う金融機関など)とが共同して担うことで、信用力ある暗号資産の発行・償還に対する多様なニーズ(金利付与、移転制限)を実現した ②見合資産確保、運用に関するガバナンスとの両立を図り、暗号資産への信認を一段を高めた という点に画期的な特色があります。 |
4. | この特色により、本発明特許は、日本で大きなニーズがあると考えられる「安心できる地域通貨や債券発行の技術基盤」を提供できるものとなっております。特に地域通貨では、見合い資産を地方債や地域立地優良企業の株式などとすること、また、地域金融機関が価値の移転に関与することで、地域通貨循環自体の効果に加え、地域経済活性化効果も期待できます。もとより、本システムは地域通貨のためだけのものではありません。地域創生プロジェクトのほか、環境やSDGsなどの目的での債券発行での活用など多様な目的での利用が考えられます。 |
本件に関する照会先:瓜生・糸賀法律事務所
弁護士 長野 聡
nagano.satoshi@uryuitoga.com
03-5575-8400