「最新!中国ビジネス法の実務動向」(No.6 外国投資法の制定作業について(1))が掲載されました。
2015.03.03
No.6 外国投資法の制定作業について(1)
1. パブリックコメント手続の実施
本年1月19日、商務部より「中華人民共和国外国投資法」のパブリックコメント稿(以下「パブコメ稿」)が公開され、2月17日を期限としてパブコメ手続が実施されました。外国投資法は外国投資家の中国国内投資に適用されるものであり、成立すれば現行のいわゆる「三資企業法」(中外合資経営企業法、中外合作経営企業法及び外資企業法)(※1)に代わる、進出企業にとって非常に重要な法律となります(※2)。
2. これまでの経緯
70年代から80年代にかけて制定された「三資企業法」を改正する必要性については、これまで関連当局担当者からも指摘されており、その改正計画は「第12期全人代常務委員会立法計画」及び「国務院2014年立法業務計画」にも含められています。また昨年より、具体的な改正準備作業の進展や新法制定の見込み時期等に関する現地メディアの報道も活発になっていました。かかる状況において、今般、パブコメ稿の公開に至ったものです。なお、パブコメ稿と同時に、その指導思想及び基本原則、主要内容、具体的な問題の理解等に関する商務部の説明(以下「商務部説明」)も発表されています。
3. パブコメ稿の構成
パブコメ稿は「総則」「外国投資家及び外国投資」「参入管理」「国家安全審査」「情報報告」「投資促進」「投資保護」「クレーム協調処理」「監督検査」「法律責任」及び「附則」の全11章、合計170条で構成されています。
次回以降、商務部説明の内容も踏まえて、パブコメ稿の概要及び実務への影響等について検討します。
(2015年3月3日 弁護士 小林幹雄 )