Turkey Legal Alert トルコ法改正最新情報(国際労働力に関する法律の制定)(アジア経済法令ニュース16-34)
文責 ウズベキスタン共和国弁護士 ヤラシェフ ノディルベック
トルコでは、国際労働者に係る政策の決定、その実行及び監視、並びに外国の
労働者に対する就労許可の付与に関連する手続等を規定する「国際労働力に関す
る」最新の法律(第6735 号)が採択され、本年8 月13 日から施行されておりま
す。今まで外国人の雇用手続を定めていた「外国人の就労許可に関する法律」第
4817 号が失効することになりますので、トルコ進出中又は進出検討中の方々に、
以下の通りご紹介致します。
法律が影響を及ぼす者
この新しい法律は、次の者に対して適用される。
① トルコでの就労を申請する外国人又はトルコで既に就労している外国人
② トルコでの使用者における職業訓練を申請する外国人又は既に職業訓練を開始
している外国人
③ トルコでの研修を申請する外国人又は研修中の外国人
④ 一時的なサービス提供を目的として在留する外国人サービス提供者
⑤ 外国人を雇用し、又は外国人の雇用を申請する自然人又は法人
なお、就労許可の取得が免除される外国人の就労及びそれに関連する手続等もこ
の法律によって行われなければならない。
就労許可取得申請
トルコにおいて外国人が就労する場合には、事前に就労許可を取得する必要があ
る。この「就労許可」は、トルコへの入国の前に、又は入国後に所轄機関である労働
及び社会保障省(CSGB)に申請して取得することができる。入国前の申請は、外国
人が国籍を有する国又は適法に滞在している国に置かれているトルコ大使館又は総
領事館を通じて行われる。本申請については、仲介業者の利用も認められる。就労許
可申請の評価に当たってCSGB が特定の要件を決めているが、それらの要件につい
ては、省略する。
就労許可期間
就労許可には、有期(期間の定めのある)就労許可、無期(期間の定めのない)
就労許可及び独立自営就労許可という種類がある。無期就労許可は、トルコにおける
長期滞在許可を有する外国人又は最低8 年間適法に就労許可を有した者に付与され
る。有期就労許可は、最初の申請の場合に1 年の有効期間があり、当該期間は、最初
の延長申請の際に2 年まで、その後の申請の場合に3 年まで延長することができる。
免除
二国間又は多国間条約等により就労許可取得が免除される者やその他適用除外を
受ける者に対しては、「就労許可免除」が与えられる。
特定の外国人の就労
自由経済特区法の範囲において就労する外国人の就労許可申請は、経済省を通じ
て行われる。
また、トルコでの大学に在籍する外国人留学生も就労許可を取得して就労するこ
とができる。CSGB は、トルコ入国管理局が定める原則や内務省の意見に基づいて外
国人留学生の就労規則等を定める。
トルコの大学の工学部や建築学科又は外国で同様な教育を受けて技術者及び建築
家としての資格を有する外国人は、有期就労許可を取得してトルコにおいて技術者又
は建築家として就労することができる。
通知義務等
外国人を雇用する使用者、無期就労許可又は独立自営就労許可を有する外国人は
就労許可の枠内における就労の開始又は終了及び就労許可の取消しの事由等につい
て15 日以内にその旨をCSGB に通知する義務がある。就労許可を有する外国人が雇
用された場合には、社会保険等への加入の義務も生ずる。