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外国判例の日本語訳を追加致しました。(韓国:2013ダ61381損害賠償(キ)(ジャ)上告棄却[日帝強制動員被害者の日本企業を相手とした損害賠償請求事件]<日帝強制動員被害者の日本企業に対する損害賠償請求権が日韓請求権協定の適用対象に含まれ、それに従い放棄若しくは消滅し、又は行使できなくなったのか否か>[大法院2018年10月30日宣告全員合議体判決要旨])

2018.11.06

【判決要旨】

条約は、前文・付属書を含む条約文の文脈並びに条約の対象及び目的に照らし、その条約の文言に付与される通常の意味に従って誠実に解されなければならない。ここで、文脈は条約文(前文及び付属書を含む。)のほか、条約の締結と関連して当事国間でなされたその条約に関する合意等を含み、条約文言の意味が模糊としており、又は曖昧な場合等には、条約の交渉記録及び締結時の事情等を補充的に考慮して、その意味を明らかにしなければならない。
原告らが主張する被告に対する損害賠償請求権は、請求権協定の適用対象に含まれると解することはできない。その理由は次のとおりである。

  1. まず、本件において問題となる原告らの損害賠償請求権は、日本政府の朝鮮半島に対する不法な植民地支配及び侵略戦争の遂行と直結した日本企業の反人道的な不法行為を前提とする強制動員被害者の日本企業に対する慰謝料請求権(以下「強制動員慰謝料請求権」という。)であるという点を明確にしておかなければならない。原告らは、被告を相手に未払賃金又は補償金を請求しているのではなく、上記慰謝料を請求しているのである。
  2. 請求権協定の締結経過及びその前後の事情等によれば、請求権協定は、日本の不法な植民地支配に対する賠償を請求するための交渉ではなく、基本的に、サンフランシスコ条約第4条に基づき日韓両国間の財政的・民事的債権・債務関係を政治的合意によって解決するためのものであったことが窺える。
  3. 請求権協定第1条に従い日本政府が大韓民国政府に支払った経済協力資金が第2条による権利問題の解決と法的な対価関係があったと解することができるのかも明白でない。
  4.  請求権協定の交渉過程において、日本政府は、植民地支配の不法性を認めないまま強制動員被害の法的賠償を根本から否認し、これによって日韓両国の政府は、日帝の朝鮮半島支配の性格に関して合意に至らなかった。このような状況において、強制動員慰謝料請求権が請求権協定の適用対象に含まれたものと解するのは難しい。
  5. 差戻し後、原審において被告が追加で提出した証拠も、強制動員慰謝料請求権が請求権協定の適用対象に含まれないという上記の判断に支障をきたすとも解されない。

日帝強占期(訳注:日本統治時代)の強制動員被害者らが日本企業(新日鉄住金株式会社)を相手に損害賠償を請求した事案において、原告らに1億ウォンずつ慰謝料支払を命じた原審判決に対する被告の上告を棄却した事例

上記の多数意見について、「既に差戻し判決において大法院は、原告らの損害賠償請求権が請求権協定の適用対象に含まれないと判断したため、その差戻し判決の羈束力により再上告審である本件においても同様の判断をせざるをえない」という趣旨の大法院イ・ギテク裁判官の個別意見1と、「原告らの損害賠償請求権も請求権協定の適用対象には含まれるが、大韓民国の外交的保護権が放棄されたに過ぎないため、原告らは、被告を相手にわが国で損害賠償請求権を行使することができる」という趣旨の大法院キム・ソヨン裁判官、イ・ドンウォン裁判官、ノ・ジョンヒ裁判官の個別意見2があり、「原告らの損害賠償請求権が請求権協定の適用対象に含まれ、大韓民国の外交的保護権のみが放棄されたのではなく、請求権協定の効力に従い原告らの権利行使が制限される」という趣旨の大法院クォン・スンイル裁判官、チョ・ジェヨン裁判官の反対意見があり、多数意見に対する大法院キム・ジェヒョン裁判官、キム・ソンス裁判官の補充意見がある。

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