TOPその他更新情報 「最新!中国ビジネス法の実務動向」(No.25 新エネルギー自動車の関連政策について(3))が掲載されました。

その他更新情報

「最新!中国ビジネス法の実務動向」(No.25 新エネルギー自動車の関連政策について(3))が掲載されました。

No.25 新エネルギー自動車の関連政策について(3)

1. 最初に

前回に続き、国務院の「省エネルギー及び新エネルギー自動車産業発展計画(2012年-2020年)」の概要を紹介します(以下「発展計画」といいます。)。これまでに本欄で紹介した内容以外に、発展計画が規定する重要な内容には以下のような事項があります。

2. 充電インフラの整備について

発展計画は、完全化された充電インフラは新エネ車産業発展の重要な前提であるという認識の下、充電インフラ建設を積極的に進めることも規定します(「四、主要任務」(四))。実際、近年の中国においては積極的に充電スタンドの設置が進められています。他方では新エネ車が急速に普及する一方で、充電スタンド等のインフラ整備が必ずしも十分ではないという認識もあり、「電動自動車充電基礎インフラ建設加速に関する国務院弁公庁の指導意見」(本年9月29日発布)では、2020年までに、500万台を超える電動自動車の充電ニーズを満たすことを目標として、充電インフラ整備を加速すること等が規定されています(当該指導意見では、原則として新築住宅の附属駐車場全てにおいて充電インフラの設置や建設設置条件の確保を要求する等の内容も規定されています。)。

3. 財政的な補助等について

発展計画では、財政や税務上の政策によって新エネ車の普及等を後押しする方針も示されています。例えば個人による新エネ車購入に関する補助金の支給等の措置です(「五、保障措置」(二))。特に近年においては当該補助金の存在が(後述する各地のナンバープレート発給規制における新エネ車の優遇的扱いと相まって)新エネ車普及の積極的要因となっているところです。この点に関しては、近時「2016-2020年新エネルギー自動車推進拡大応用財政支持政策に関する財政部、科学技術部、工業及び情報化部、発展改革委員会の通知」が発布され、今後の新エネ車に関する補助金政策等について規定していますので、後述します。

以上の通り、2012年に公布された発展計画は、中国の近時における新エネルギー自動車関連政策の重要な背景となっています。

(2015年12月24日 弁護士 小林幹雄