TOPその他更新情報 「最新!中国ビジネス法の実務動向」(No.32 新エネルギー自動車の関連政策について(10))が掲載されました。

その他更新情報

「最新!中国ビジネス法の実務動向」(No.32 新エネルギー自動車の関連政策について(10))が掲載されました。

No.32 新エネルギー自動車の関連政策について(10)

1. 最初に

前回に続き「純電動乗用車企業新規建設の管理規定」(以下「本規定」といいます。)の概要を紹介します。今回は、本規定第3章が規定する参入管理関連事項について触れます。

2. 生産企業及び製品に対する管理

投資プロジェクトの建設完了後、本規定に基づき新たに建設された純電動乗用車生産企業及び製品は、工業及び情報化部の関連規定(※1)の関連要求に基づき審査を経た上で「車両生産企業及び製品公告」に組み入れられ、単独の類別により管理されます(第12条)(※2)。
上記の内容に従い当該公告に組み入れられた純電動乗用車製品に関する有効期間は3年間とされており、有効期間満了の30日前までに延期申請ができます。そして審査に通過すれば有効期間を延長することができるものとされていますが、毎回の延長期間は3年を超えることができません(第14条)。

3. その他の事項

参入管理関連事項としては上記の各内容に加えて、上記新規建設企業が生産する純電動乗用車製品が使用する商標・ブランドに関する要求、当該製品が関連国家標準等に適合することに関する要求、当該製品が採用する動力蓄電池に関する要求が規定されるほか、上記新規建設企業が行なう品質保証に関する要求も規定されています(以上につき第13条)。また、上記新規建設企業が構築すべき生産一致性の管理システムに関する各種内容も規定されています(第15条)(※3)。
このほか、本規定によれば、工業及び情報化部(※4)は、上記新規建設企業の各種状況(承諾の履行状況、アフターサービスの保障状況、製品安全性・一致性等の状況)に対する評価及び当該評価結果の社会に対する公開を行うこととされています(第16条)。また、当該部門は、上記新規建設企業の参入条件の保持状況に対してサンプル検査を行い、生産参入の関連条件を保持できない企業や既に破産した企業に対する取消等の各種処分を行うことも予定されています(第17条)。

以上の通り、本規定は、中国における純電動乗用車生産領域への新規参入プロジェクトに関する重要な根拠規定であるものといえます。

【注】
※1 具体的には工業及び情報化部の「乗用車生産企業及び製品参入管理規則」(2012年1月1日施行)及び「新エネルギー自動車生産企業及び製品参入管理規則」(2009年7月1日施行)を指します(第12条)。
※2 本文中で引用する条文番号はいずれも本規定のものです。
※3 当該企業は、生産一致性管理システムを構築して、実際に生産された製品と「車両生産企業及び製品公告」に組み入れられた製品が一致することを保証すべきものとされます(第15条)。
※4 国家発展改革委員会、工業及び情報化部は、各自の職責の範囲内において、本規定に基づき新たに建設される純電動乗用車生産企業の投資プロジェクト、車両生産企業及び製品参入に対する監督管理を担当します(第4条)。
(2016年7月14日 弁護士 小林幹雄