外国判例の日本語訳を追加致しました。(韓国:(民事)契約名義信託約定及び登記の効力に関する事件[大法院2018.4.10.宣告])
2018.05.21
【判決要旨】
名義信託者と名義受託者が契約名義信託約定を締結し、名義受託者が当事者となって売主と不動産に関する売買契約を締結する場合、契約及び登記の効力を判断する基準(=売買契約を締結した当時の売主の認識)/このとき、売主が契約締結以降に名義信託約定の事実を知ることになったという理由で上記契約と登記が無効になるか否か(消極)
不動産実権利者名の登記に関する法律第4条第2項の但書きは、不動産取引の相手方を保護するためのものであり、相手方が名義信託約定があるという事実を知らないまま物権を取得するための契約を締結した場合、その契約及びそれに伴う登記を有効であるとするものである。名義信託者と名義受託者が契約名義信託約定を締結し、名義受託者が当事者となって売主と不動産に関する売買契約を締結する場合、その契約及び登記の効力は、売買契約を締結した当時の売主の認識を基準に判断すべきであり、売主が契約締結以降に名義信託約定の事実を知ることになったとしても、上記契約及び登記の効力には影響がない。売主が契約締結以降に名義信託約定の事実を知ることになったという偶然の事情により、上記の通り有効に成立した売買契約が遡及的に無効になるとすべき根拠がない。万一、売主が契約締結以降に名義信託約定の事実を知ることになったという事情をもって売買契約の効力を争うことができるようにすれば、売主の選択によって売買契約の効力が左右されるという不当な結果をもたらすことになる。
2017タ257715判決(抄訳)[所有権移転登記] [判例公報2018 864]