外国判例の日本語訳を追加致しました。(韓国:(民事)原著作物と二次的著作物間の著作権侵害有無に関する事件[大法院2018.5.15.宣告])
2018.06.22
【判決要旨】
- 著作権法第2条第1号は、著作物を「人間の思想又は感情を表現した創作物」と規定し、創作性を要求している。ここで、創作性は、完全な意味の独創性を要求するものではないとしても、創作性が認められるには、少なくとも、ある作品が単純に他人の作品を模倣したものであってはならず、思想又は感情に対する作者自身の独自の表現を含んでいなければならない。
実際に存在する建築物を縮小した模型も、実際の建築物を縮小して模型の形態で具現する過程において、建築物の形状、模様、比率、色彩等に関する変形が可能であり、その変形の程度に応じて実際の建築物と区別される特徴又は個性が表れうる。したがって、実際に存在する建築物を縮小した模型が実際の建築物を忠実に模倣し、これを単純に縮小したものに過ぎず、又は些細な変形のみを加えた場合には、創作性を認めることは困難であるが、その程度を超える変形を加え、実際の建築物と区別される特徴又は個性が表れている場合であれば、創作性を認めることができるため、著作物として保護を受けることができる。
- 著作権の侵害有無を検討するために2つの著作物の間に実質的な類似性があるか否かを判断する際には、創作的な表現形式に該当する部分のみをもって対比しなければならない。したがって、建築物を縮小した模型の著作物と対比対象となる著作物との間に実質的な類似性があるか否かを判断する際にも、原建築物の創作的な表現ではなく、原建築物を模型の形態で具現する過程において新たに付加された創作的な表現に該当する部分のみをもって対比しなければならない。
- 著作権法が保護する複製権又は二次的著作物作成権の侵害が成立するには、対比対象となる著作物が、侵害されたと主張する既存の著作物に依拠して作成されたという点が認められなければならない。このような依拠関係は、既存の著作物に対する接近可能性及び対象著作物と既存の著作物との間の類似性が認められれば推定することができる。
2016タ227625判決(抄訳)[損害賠償] [判例公報2018 1061]